【2025年】学生の場合賃貸物件の退去方法とは?流れや準備するものなど注意点
賃貸物件の退去連絡の伝え方や退去までの流れ
学生生活も終わりが近づくと、就職などに伴い引越す方が多くなります。
新天地へと引越す前に学生生活を過ごしたアパート・マンションから退去することになりますが、その手順などは忘れがちです。
そこで、退去連絡の伝え方から退去までの流れを徹底解説します!
賃貸物件から退去する際の全体的な流れは?
契約している賃貸物件から退去する際、事前に定められた方法で退去の意思を伝え解約を申し込む必要があります。
学生が賃貸物件を利用する場合はそのため、退去をするにあたって全体的な流れをしっかりと把握しておくと、トラブル無くスムーズに退去することができます。
1.契約書を確認する
2.指定された方法で退去の意思を伝え、解約通知書を不動産会社に郵送する
3.電気・ガス・水道・インターネット回線の利用停止手続きをする
4.住民票の転出届を提出する
5.郵便物の転送手続き
6.引越し(荷造りや不用品の処分、清掃など)
7.退去の立会い
8.退去費用の精算
全体の流れを把握したところで、それぞれの行程について詳しく解説をしていきます。
1.契約書を確認する
まずは契約書に記載されている解約の連絡を「誰に」「いつまでに」「どのように連絡をするのか」を確認します。
借主の都合で賃貸契約の解約をする場合は退去日の1~3ヶ月前までに連絡する必要があり、これを「解約予告期間」といいます。
契約書には解約の連絡(解約予告)のやり方についての指示が記載されているので、最初にそれを確認します。
もし解約予告期間を過ぎてしまっていると自動的に契約が更新されて更新料を負担しなければいけなくなるなどトラブルに繋がるため、早めに確認をしておきましょう。
2.指定された方法で退去の意思を伝え、解約通知書を不動産会社に郵送する
解約予告期間までに、契約書で指定された方法で退去の意思を伝えます。
多くの場合、不動産会社の担当者に電話等で連絡をし、借りている部屋の住所、指名、連絡先、退去の予定日を伝えます。
ただし、口頭で退去の意思を伝えただけでは解約受付が完了していないため、入居時に渡される「解約通知書」に必要事項を記入して郵送する必要があります。
その他、退去連絡に関する注意点は別途解説します。
3.電気・ガス・水道・インターネット回線の利用停止手続き、火災保険の解約をする
賃貸契約以外にも、借りている部屋で利用している生活インフラの契約それぞれの利用停止手続きが必要です。
手続きの方法は個々に異なりますが、電話やWEBを通じて手続きが可能です。
契約者番号などが分かる検針票や料金明細票などを用意しておくとスムーズです。
ガスの利用停止の場合のみ立会いが必要になることがあるので、立会いの有無を確認して日程を決めましょう。
また、入居時に加入した火災保険の解約も自信で行う必要があるため、忘れないようにしましょう。
4.住民票の転出届を提出する
引越し先に住民票を移すため、引越しの日の前後2週間以内に役所へ転出届を提出します。
転出届を出すと「転出証明書」が発行されるので、今度は引越し先の役所へ転入届と共に提出します。
手続きには身分証明書が必要ですが、マイナンバーカードがあれば転出証明書の代わりになるのでスムーズです。
また、同じ市区町村内での引越しの場合でも同様に転居届が必要になるので、引越し日の前後2週間以内に役所へ行くことを忘れないようにしましょう。
5.郵便物の転送手続き
郵便局の窓口に転居届を出しておくと、1年間は古い住所に届いた郵便物を新しい住所に転送してくれます。
手続きには本人確認書類と古い住所が確認できる証明書(運転免許証やパスポート)が必要です。
窓口に行くことが難しい場合はWEBからも申し込みできるので、忙しい人は空いた時間に済ませておきましょう。
6.引越し(荷造りや不用品の処分、清掃など)
荷造りは早めに使わないモノから順に梱包しておいたり、必要・不要を判断して不要なものも早々に処分を進めましょう。
引越し作業はプロに任せることもできますが、荷物量は費用に影響するので計画を立てて動きましょう。
退去前の部屋の清掃も、クリーニング費用の負担を減らすために必ず行いましょう。
普段通りの清掃で問題ありませんので、無理に特殊な掃除をしようとして逆に設備を傷めたりすると逆効果になってしまいます。
引越しの際に業者に依頼するなど、騒音などで隣や上下の住民に迷惑をかける心配がある場合は、事前に挨拶をしておくこともオススメです。
その際は手ぶらでは無く手土産も用意するように心がけましょう。
7.退去の立会い
引越しの荷物の搬出が終わり室内に私物などが無くなったら、担当者と一緒に部屋の状態を確認する退去の立会いを行います。
傷や汚れなどの状態を確認し、退去後に行う修繕などの費用が貸主・借主のどちらの負担になるかを決めます。
学生が利用する単身向け賃貸であれば、20~40分ほどの時間が目安となります。
8.退去費用の精算
立会いで確認した内容を元に修繕費用に見積りが出ます。
修繕費用は入居時に支払っている敷金から差し引かれ、足りなければ請求、余れば返金されます。
退去後2~3週間ほどして請求書や返金額の書類が届き、2ヶ月以内を目途に精算されるのが一般的です。
退去連絡や解約通知書の発送で注意点は?
退去連絡の方法については契約時に説明されているのですが、学生の場合は初めての賃貸契約となる人も多く契約から数年経過しているとうろ覚えになりがちです。
しかし、絶対に忘れてはいけないのは「解約予告期間」です。
解約通知書が担当者に到着した日が受付日となるため、期限となる日の数日前までには解約通知書を発送する必要があります。
解約予告期間を過ぎてから退去連絡をしたり、期限のギリギリに電話→郵送と手続きを進めて期限を過ぎてしまうと、賃貸契約がすでに自動更新されて更新料が発生したり、退去後も家賃の負担が増えるといった無駄が発生してしまいます。
また、新居がまだ決まっていない場合や引越し業者の手配が済んでいないなど、正確な引越しの日や退去日が未定であった場合でも退去の意思があることを伝えるための退去連絡は可能です。
退去することが決まった時点で、その日が未定であっても解約予告期間に余裕を持って早めに連絡する方がトラブルがありません。
退去連絡の際に担当者に正確な日程が未定であることを伝え、どのように対処すれば良いのか相談すると良いでしょう。
退去連絡が電話以外を指定している物件の場合でも、電話が可能な窓口があればそちらで相談ができるでしょう。
退去時に良くある家賃負担の注意点とは?
賃貸契約を解約して退去する際に発生する家賃負担に関する注意点は、知っておくとある程度の無駄を省くことができます。
二重家賃が発生することがある
引越し先が賃貸物件の場合、引越し前の旧居と引越し先の新居の両方に家賃を支払う二重家賃が発生することがあります。
退去日の翌日に入居できれば二重家賃が一切発生しないようにすることもできますが、引越し作業の関係でなかなか難しいのが現実です。
引越し業者に依頼する場合は二重家賃が発生しにくいように段取りをするように心がけましょう。
なお、新居に一定期間の家賃が無料になる「フリーレント付き」物件を選んでおけば、旧居を退去前に新居の引き渡しとなった場合でも家賃負担がありません。
フリーレント無しの物件でも交渉次第で対応してもらえる場合があるので、新居の契約の際に交渉してみましょう。
家賃の計算方法によって余計な家賃が発生する
解約月の家賃の計算方法は契約内容によって異なります。
計算方法は3種類あり、月の中で経過した日数分だけを支払う「日割」、15日までの退去なら半月分で15日以降の退去なら1ヶ月分を支払う「半月割」、どのタイミングで解約しても1ヶ月分を支払う「月割」があります。
半月割や月割の場合、退去の日によって余計な家賃を支払う必要があるため、退去日は家賃の計算方法に合わせて決めると良いでしょう。
早すぎる解約は違約金が発生することがある
数年の長期契約の場合に数ヶ月で退去するといった入居期間が短くなった場合、「短期解約違約金」という違約金が発生します。
違約金の相場は「1年未満の退去で家賃1ヶ月分」と言われており、学生生活の中ではやむを得ない理由での中退や長期留学などで離れる場合などの際にこういった条件に該当することがあります。
退去日までにやっておくべき作業や準備とは?
貸与された備品をまとめておく
部屋にあった備品で家電類のリモコンや取扱説明書、玄関のキーはスペアを含めて全て返却が必要です。
もし紛失したり破損させてしまっている場合は退去時に請求されることがあるため注意してください。
退去費用の準備
退去費用を精算しなければ解約が完了しないため、退去費用を事前に準備しておきましょう。
契約時に敷金を預けていない場合は全額負担、敷金を預けていても超えるような退去費用となる場合は追加で負担が発生します。
退去費用はほとんどの場合で分割払いができないため、一括で支払うことができる金額を準備しておきましょう。
詳しい退去費用については後述します。
入居時に撮影した室内の写真や「現況確認書」
退去立会いには室内に入居当時からあった傷や汚れなどを記録した写真や「現況確認書」を用意しておきましょう。
入居時に無かった傷などは退去費用の負担に繋がりますが、入居時からあった傷まで修繕する必要はありません。
引越し作業で出たゴミの処分
引越しの際には多くのゴミが出ますが、その処分方法を事前に確認しておきましょう。
特に粗大ごみは自治体によって処分方法が異なり、事前に申し込みや処分に手数料が発生することが多く、直前に申し込みをしても間に合いません。
自治体や地域のごみ処理センターの公式サイトに詳しい情報が掲載されているので、そちらを確認しましょう。
退去時に発生する費用はどのくらい?
退去時に発生する費用は、間取りや部屋の使い方で大きく変わります。
まず間取りごとの平均ですが、ワンルーム~1LDKで居室が1部屋の間取りであれば平均5万円程度、2K~2LDKで居室が2部屋の場合で平均8万円程度となっています。
部屋の使い方ですが、室内でタバコを吸っていて壁や天井にニオイや汚れが付着している場合などは追加のクリーニング費用が発生します。
タバコ以外でも火を使うアロマや線香などもヤニ汚れの原因になるので同様です。
壁や床に故意につけた傷・凹みがある場合や、日常的な清掃を怠って発生したカビや水回りの汚れなども追加で費用が発生する原因となるので、普段から借りている住居だという事をよく考えて生活すると良いでしょう。
入居時に敷金を支払っている場合、平均的な退去費用であれば敷金の範囲内で賄うことができ、余った分は返金されます。
しかし、敷金無しの物件であれば退去費用は全て退去時に負担となるため、平均的な退去費用に少し余裕を持った金額を事前に用意しておきましょう。
また、退去費用は長期間生活をすると安くなる傾向があります。
設備の一部は6~8年を経過すると経年劣化と判断され、交換にかかる費用は大家さん負担となります。
学生生活の期間ではなかなかこの年数を超えることは難しいですが、4年制大学から大学院へと進めば退去費用が安くなる年数を超えるかもしれません。
原状回復とは?
退去費用には原状回復にかかる費用の一部を含みます。
原状回復とは「入居前の状態に戻すこと」を指しますが、これは新品の状態に戻すことわけでは無いことと、入居者が原状回復にかかる費用を全て負担する必要が無いことを知っておきましょう。
原状回復の基準は国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で定められており、「入居者の過失による汚損は入居者負担」「経年劣化や自然損傷は大家さん負担」とされています。
日常的な生活で発生する傷や汚れなどは経年劣化や自然損傷と同じ扱いであり、修繕が必要であれば大家さんや管理会社が費用を負担します。
故意でつけた傷や掃除を怠ったことで発生したカビなどは、入居者の過失と判断されるため入居者負担となります。
入居者負担となる事例
・物をぶつけたり擦ったりして付いた壁紙やフローリングの傷
・タバコなどの影響で変色した壁紙(天井)
・壁や床の落書き
・結露を放置して発生したカビや壁紙の浮き上がり
・画鋲よりも太いネジや釘で空いた穴
・キャスター付きの椅子などで付いた床の傷や凹み
・布団を敷きっぱなしにして発生したカビ
・掃除を怠って頑固な油汚れになった換気扇
・髪の毛やゴミが詰まって流れにくい排水口
・鍵の曲がりや破損、紛失
入居者が不注意でつけた傷は仕方ありませんが、掃除を怠ったことで出来た汚れなどは日常生活の心がけで防ぐことができます。
これらの原状回復に必要な費用は退去費用として請求されるので、退去費用を抑えるためには気を付けて扱いましょう。
大家さん負担となる事例
・日光による壁紙やフローリングの変色(日焼け)
・冷蔵庫やテレビなどの家電による壁紙の家電焼け
・画鋲の穴
・家具を置いていたことで出来た床の凹み
・網戸の張り替え
・排水管やエアコンの内部など掃除に専門業者や特殊な機材が必要な汚れ
・自然災害による設備の損傷
・耐用年数を超えた設備の故障
・破損や紛失以外での鍵の交換
経年劣化によるものや以前の入居者がつけた傷や汚れなどは大家さんの負担で修繕されるため、退去時に費用を負担する必要はありません。
しかし、経年劣化が原因である破損を放置して異なる破損が発生した場合は入居者負担となる場合があります。
設備の破損を見つけたら、退去まで放置せずにすぐに大家さんや管理会社へ連絡しましょう。
【賃貸物件の退去方法とは?】まとめ
学生生活で利用する賃貸物件は、社会人になってから生活をする場所とは異なり卒業を機に退去するケースが大半を占めます。
進路が決まれば事前に退去する時期が見通せるため、しっかりと計画を立てて余裕を持って行動すればスマートに退去ができるでしょう。
2月~3月の繁忙期に退去の準備を始めていてはどこも忙しく計画通りには進まないかもしれませんので、進路が決まればなるべく早めに退去に向けた準備を進めていきましょう。
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